設立趣旨

 我が国の道路構造物は、高度経済成長期における集中的な整備を経て順次蓄積され、重要な社会インフラとして、我が国の国民生活、経済活動を支えてきました。その一方で、道路における交通事故死者数は平成13年から12年連続して減少したとはいえ、4千人を超え、国民、社会に大きな影響を与え続けています。道路の交通安全に関しては、これまでもさまざまな交通安全啓発活動を通じて、交通安全意識の高揚に努めてきたところでありますが、わたしたちは、これを更に発展・強化することによって、我が国の交通安全施策を支援していきたいと考えています。
 また、建設後50年を経過する道路構造物の急速かつ大幅な増加に伴い、老朽化する構造物の維持補修、更新が重要な課題となっています。
 この道路構造物の安全性向上に向けては、点検、診断、措置、記録のメンテナンスサイクルをしっかり構築することが必要であり、そのための人材を育てることが重要です。わたしたちは、高速道路のみならず広く一般道路まで含めた道路の維持管理技術の水準を高め、講演、研修、技術情報の提供等を通じて、道路の維持管理技術者の育成を支援します。
 わたしたちは、これまでの経験、知識と実績をもとに、道路を管理する視点と利用する視点の双方の立場に立って、交通安全対策を更に推進するとともに、道路構造物の安全性向上に資する対策を推進することによって、道路全般の安全性を高め、国及び地域社会の持続的発展に大いに貢献できるものと考えています。

平成26年3月
特定非営利活動法人 道路の安全性向上協議会
理事長 藤野 陽三